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「上司の前に行くと、怖くて声が出なくなる」

「みんなの前でバカにされて、自分を否定されている気がする」

「無視されたり、嫌味を言われたりするのが日常茶飯事……」

もしあなたが今、上司の言動に怯え、職場に行くのが苦痛で仕方ないなら、それは「モラハラ(モラルハラスメント)」かもしれません。

真面目な人ほど、「自分が仕事ができないせいだ」「もっと頑張れば認めてもらえるはず」と、原因を自分の中に探してしまいます。しかし、モラハラの原因は加害者にあります。あなたが悪いわけではありません。


モラハラとは?パワハラとの違い

モラハラとは、倫理(モラル)に反した精神的な嫌がらせのことです。言葉・態度・身振りなどによって相手の自尊心を傷つけ、精神的に追い詰める行為を指します。

パワハラが職務上の優越的な関係を背景にした嫌がらせであるのに対し、モラハラは役職の上下に関わらず起こり得ます。より陰湿で周囲に気づかれにくい「精神的な攻撃」に特化しているのが特徴です。

2020年から職場におけるハラスメント対策は法律で義務付けられており、会社には対応する責任があります。


当てはまる?モラハラ上司の具体的な言動

モラハラは「指導」という言葉で隠されがちですが、以下のような言動はハラスメントに該当する可能性があります。

言葉による攻撃として、「代わりはいくらでもいる」「給料泥棒」などの暴言、能力を否定する言葉を同僚の前でわざと言う、常に否定的な言葉を浴びせ自信を失わせる、といったことがあります。

態度による嫌がらせとして、挨拶をしても無視される・自分だけ会議に呼ばれない、舌打ちやため息などの威圧的な態度、必要な情報を共有せず仕事に支障を出させる、といったことがあります。

行動による追い詰めとして、明らかに終わらない量の仕事を押し付ける、逆に全く仕事を与えず放置する(隔離・仲間外れ)、プライベートなことに執拗に介入してくる、といったことがあります。


実際に苦しんでいる人の声

悩む男性
「社長から暴言のような叱責を受け、一方的に勤務時間を短縮されました。『仕事もそんなにできひんみたいやし』『お前おらんくてもほんまに困らん』などと言われました。勤務時間の短縮について、書面での説明や同意確認はなく、電話口で一方的に言われただけです。」(30代・パート社員)

一方的な暴言と不利益変更が同時に行われているケースです。「お前はいなくても困らない」という言葉は、典型的なモラハラの手口です。こういった言葉を真に受けてしまうと、自己肯定感が急速に低下していきます。

泣きそうな女性
「パワハラを本部に通報しました。被通報者は処分されたのですが、予測どおり犯人探しが始まり、上層部は大方私と突き止めたようです。その後、私の評価が下がり始めました。正義の通報をした者が冷や飯を食う羽目になるのが世の常なのでしょうか?」(年齢不明・会社員)

正当な通報をしたにもかかわらず、報復として評価を下げられているケースです。これは「不利益取り扱い」として法律で禁止されている行為です。泣き寝入りせず、外部の相談窓口(労働基準監督署など)への相談を検討すべき状況です。

眠気ある男性
「毎日上司に会うのが苦痛で、その人といるだけでビクビクして涙が出そうになります。車の移動中も『苦言いいですか?』と言われ、私のできていないことをいくつも指摘されます。デスクの上にも朝行くと『苦言です』と書かれた紙があり、追い詰めるような文章がたくさん書かれています。もう限界かもしれません。」(年齢不明・会社員)

「苦言」という言葉を使いながら日常的に追い詰めているケースです。毎日・複数の場面で繰り返されているなら、それは指導ではなくハラスメントです。


なぜそんなことをする?モラハラ上司の心理

加害者の心理を知ることで、「自分が悪いわけではない」という実感が持てるようになります。

モラハラをする上司は、実は自分に自信がないことが多いです。部下を貶めることで「自分の方が上だ」と確認し、心の安定を保とうとしています。また、相手がどれほど傷ついているかを想像することができず、罪悪感を持たずに攻撃を繰り返す傾向があります。

あなたが「もっと頑張れば認めてもらえる」と思って努力を続けても、状況が改善することはほとんどありません。問題はあなたではなく、相手の側にあります。


自分を守るための対処法

証拠を記録することが最初のステップです。いつ、どこで、誰に、何を言われた(された)かを日記やメモに詳細に記録しましょう。スマホのボイスレコーダーで録音したり、嫌がらせの内容が含まれるメール・チャットをスクリーンショットで保存するのも有効です。

物理的・心理的な距離を置くことも大切です。必要最低限の業務連絡以外は関わらないようにします。「この人は自分の問題を抱えている」と割り切り、言葉を真に受けないように心のバリアを張りましょう。

社内外の相談窓口を活用することも選択肢です。人事部やハラスメント相談窓口、あるいは労働基準監督署(総合労働相談コーナー)など、一人で抱え込まずに相談してみましょう。

一人で整理しにくい場合は、オンラインで専門家に話を聞いてもらうことも助けになります。

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逃げていい。転職や休職を選ぶべき理由

「辞めるのは負けだ」「逃げるのは無責任だ」と思う必要はありません。

モラハラ環境に居続けると、適応障害などの心身への影響が出るリスクが高まります。心が壊れてからでは、回復に長い時間がかかります。逃げることは、あなたの人生を守るための賢明な決断です。

我慢を続けると、加害者の価値観が刷り込まれ、自己肯定感が低下してしまいます。そうなると、転職活動をするエネルギーすら湧かなくなってしまいます。早めに動くことが大切です。

退職を上司に言い出せない場合は、人事部に直接退職願を提出したり、郵送したりする方法もあります。退職代行サービスを利用するのも選択肢の一つです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. これってモラハラですか?判断基準がわかりません。

あなたが「苦痛を感じている」「仕事に支障が出ている」「人格を否定されている」と感じるなら、ハラスメントの可能性があります。客観的な判断が必要な場合は、厚生労働省の「あかるい職場応援団」などで具体例を確認してみてください。

Q2. 相談したことが上司にバレて、さらに嫌がらせをされそうで怖いです。

相談窓口には守秘義務があります。「本人には伏せてほしい」「まずは事実確認だけしてほしい」と希望を伝えることができます。また、相談を理由に不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。

Q3. 証拠がないと、相談しても無駄ですか?

そんなことはありません。あなたの話だけでも相談は可能です。ただ、会社や公的機関が動くためには証拠があったほうがスムーズです。今日からでもメモを取るなど、少しずつ集めていきましょう。

Q4. 上司がたまに優しくなるので、本当は悪い人じゃない気がしてしまいます。

それは「アメとムチ」による支配の典型的な手口です。一時的な優しさに惑わされず、繰り返される嫌がらせという「事実」に目を向けてください。


まとめ

モラハラ上司に立ち向かう必要はありません。大切なのは、あなたが安全でいられる場所を確保することです。

証拠を集め、誰かに相談し、必要であればその場を離れる。そのすべてが、あなたを守るための行動です。自分を責めるのは今日で終わりにして、次の一歩を考え始めましょう。