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職場でハラスメントを受けているのに、「誰に相談すればいいかわからない」という声をよく聞きます。社内に話しても握りつぶされそうで、かといって外部に連絡するにも、どこが窓口なのかわからない。そんな状況は、決して珍しいことではありません。

この記事では、パワハラ・セクハラなどのハラスメントに遭ったとき、今すぐ使える相談窓口を一覧でまとめています。相談を一歩踏み出しやすくするための準備と、相談後の具体的な流れも合わせて解説します。

悩む人
「相談したいけど、どこに連絡すればいいか分からない。会社に知られたら余計こじれそうで怖い…」

どの窓口に相談すればいい?迷ったらまず「社外」から

ハラスメントの相談先は、大きく「社内」と「社外」の二つに分かれます。

どちらから始めるべきかというと、会社への不信感があるなら、まず社外の相談窓口を使うことをおすすめします

社内相談窓口(人事部・コンプライアンス窓口・ハラスメント相談員など)は便利な反面、「相談内容が加害者や上司に漏れる」「会社側に都合よく処理される」といったリスクが否定できない場合があります。会社を信頼できるなら社内でも構いませんが、そうでないなら外部から情報収集を始めるほうが安全です。

相談窓口の選び方の基本
  • 会社を信頼できる → まず社内相談窓口へ
  • 会社を信頼できない・証拠を固めたい → 社外の行政機関・弁護士へ
  • 精神的につらい・ただ話したい → カウンセリング・無料電話相談へ

社外の相談窓口は、無料で利用できるものがほとんどです。「相談したら何かが動いてしまう」という不安はひとまず脇において、まず情報収集だけのつもりで連絡してみてください。人によっては、最初の一本の電話で状況が整理されて、次に何をすべきかが見えてくることもあります。

今すぐ使える「外部相談窓口」の一覧

社外の主な相談窓口を紹介します。状況に応じて使い分けてみてください。

都道府県労働局「総合労働相談コーナー」

厚生労働省が設置している、無料・匿名で使える公的な相談窓口です。全国の都道府県労働局および各労働基準監督署内に設置されており、パワハラ・セクハラを含む労働問題全般を相談できます。

パワハラについては、「労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)第30条の2」により、2022年4月からすべての事業者に防止措置が義務づけられました。この法律に基づく行政指導の入口としても機能します。

電話または来所で相談(無料・匿名可)
「あっせん」制度で会社と話し合いの場を設ける
合意・問題解決へ

「あっせん」とは、第三者機関が間に入って労働者と会社の話し合いを支援する制度です。裁判より手続きが簡単で、費用もかかりません。ただし、会社側が参加を拒否した場合は打ち切りになる場合があります。

  • 電話番号: **0120-811-610**(全国共通ナビダイヤル)
  • 受付時間: 平日 8:30〜17:15(土日祝・年末年始を除く)

法テラス(日本司法支援センター)

法的なアドバイスが必要なら、法テラスの無料法律相談が有効です。弁護士や司法書士による相談を無料または低費用で受けられ、収入が一定以下の方は弁護士費用の立替制度(審査あり)も利用できます。

セクシャルハラスメントは、民法第709条(不法行為)および男女雇用機会均等法第11条に基づく損害賠償請求の対象となります。「法的手段を取るべきか」「どの程度の請求が見込めるか」を確認する入口として活用できます。

  • 電話番号: **0570-078374**(サポートダイヤル)
  • 受付時間: 平日 9:00〜21:00 / 土曜 9:00〜17:00

連合「なんでも労働相談ダイヤル」

日本労働組合総連合会(連合)が運営する、組合員でなくても無料で使える電話相談窓口です。「ユニオン(合同労組)への加入方法を知りたい」「会社と団体交渉したい」といった相談にも対応しています。

社内で解決できず、より強い立場で会社と交渉したい場合、ユニオンへの加入は有効な選択肢の一つです。加入すると、会社への団体交渉を申し入れる権利が生まれます。

  • 電話番号: **0120-154-052**
  • 受付時間: 平日 9:00〜20:00 / 土曜 9:00〜17:00

みんなの人権110番(法務省)

人権侵害に関する相談を受け付ける、法務省の無料相談窓口です。ハラスメントが深刻な人権侵害に至るケースにも対応しており、法務局職員や人権擁護委員が対応します。法務局が直接会社を調査する「人権侵犯事件の調査・処理」を依頼することもできます。

  • 電話番号: **0570-003-110**
  • 受付時間: 平日 8:30〜17:15
相談窓口費用匿名向いている状況
都道府県労働局無料あっせん・行政指導を求めたい
法テラス無料〜不可法的根拠を確認・訴訟を視野に
連合ダイヤル無料ユニオン加入・団体交渉
人権110番無料深刻な人権侵害・調査依頼
外部窓口の選び方のポイント
「何をしたいか」で選ぶと迷いが減ります。「話を聞いてほしいだけ」なら連合ダイヤル、「会社に正式に動いてほしい」なら労働局、「法的に争う準備を始めたい」なら法テラスが入口になります。
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社内相談窓口はどう使う?メリットと落とし穴

社内の相談窓口(人事部・コンプライアンス窓口・ハラスメント相談員など)は、会社に設置が義務づけられた窓口です。パワハラ防止法(労働施策総合推進法第30条の2)により、2022年4月からすべての企業に整備が法的に義務化されています。

社内窓口のメリットは、会社内での直接的な改善措置(加害者の配置転換、注意指導など)を求めやすい点にあります。迅速に動いてもらえる場合もあります。

ただし、相談内容が漏れるリスクや、会社の都合で処理されるリスクも完全には排除できません。

社内窓口のメリット
  • 人事異動・注意指導など直接的な対処を求められる
  • 社内制度・社内事情を知った担当者が対応する
  • 状況次第では早期解決につながる
社内窓口の落とし穴
  • 相談内容が加害者や上司に伝わる場合がある
  • 会社の利益を優先して処理されるリスクがある
  • 相談員のスキルや中立性に個人差がある

社内窓口を利用する場合は、「相談内容をどの範囲に開示するか」を最初に確認しましょう。「加害者には伝えず、まず私の話を聞いてほしい」と明示的に伝えることで、情報の取り扱いをある程度コントロールできます。

モラハラ上司への対処法と逃げていい理由でも触れているように、加害者が上司・管理職の場合は社内での解決が難しくなりやすいです。その場合は外部窓口を優先することをおすすめします。

こんな場合は外部窓口を先に使って
  • 加害者が経営者・役員クラスで社内に頼れる人がいない
  • 以前相談したが適切な対処がなかった・握りつぶされた
  • 相談したことへの報復・嫌がらせが過去にあった

相談前に3分でできる「記録メモ」の作り方

相談窓口に連絡する前に、少しだけ準備しておくと話がスムーズに進みます。特に重要なのが「記録を残す」ことです。

記録がなくても相談はできます。ただ、記録があると対処の選択肢が広がります。

1
いつ・どこで・何をされたかをメモする
日時・場所・発言の内容・行為の内容・その場にいた人を具体的に書く。記憶が鮮明なうちに残しておくことが大切です。
2
メール・チャット・音声などを個人端末に保存する
SlackやメールのスクリーンショットはPCやスマートフォンに保存する。会社支給端末のデータは会社側に消される場合があるため、個人のデバイスにも保存しておいてください。
3
受診した場合は診断書を手元に置いておく
ストレスによる体調不良で医療機関を受診した場合、診断書はハラスメントの影響を示す重要な資料になります。損害賠償を請求する段階では特に役立ちます。

「証拠がないから相談できない」と思い込んで、踏み出せないでいる人が少なくありません。でも窓口への相談そのものは、証拠がなくてもできます。まず話すことから始めてください。

時効に注意。記録は早めに
ハラスメントによる損害賠償請求(民法第724条、不法行為)は「被害を知った時から3年」が時効です。記録は早め早めに残しておくことで、のちの手段の幅が広がります。

「相談したら報復されないか」という不安への答え

相談をためらう理由として、「仕返しされそう」「職場に居づらくなりそう」という不安が多く挙がります。その不安はごく自然なことです。でも、いくつかの事実を知っておくと、少し動きやすくなります。

まず、相談したことを理由とした不利益な取り扱いは、法律で禁止されています。パワハラ防止法(労働施策総合推進法第30条の2第2項)は、相談者・事実確認に協力した者への不利益取り扱いを会社に禁じており、違反した場合は行政指導の対象となります。

ただし、法律で禁じられていても、職場の雰囲気や人間関係が変化する場合があることも事実です。会社の規模や文化によって、対応の質には大きな差があります。

今、相談のタイミングをどうするか迷っていますか?
今すぐ動きたい → 外部窓口への匿名相談から始める。話を聞いてもらうだけでも構いません。
まだ様子を見たい → 今すぐ記録だけ始める。時効(3年)を意識して、証拠を残しておく段階に入りましょう。

相談は「会社と戦うこと」ではなく、「状況を改善するための情報収集」として捉えると、ハードルが下がります。仕事のストレスが限界を超える前に知っておくべきことでも書いているように、「もっと早く動けばよかった」という声はとても多いです。

外部の専門機関への連絡は、あなた自身を守るための正当な行動です。

相談後の流れ。解決への道筋を知っておく

相談後にどんな展開が待っているのかがわからないと、余計に足が止まりやすいですよね。おおまかな流れを把握しておくだけで、動きやすくなります。

第1段階:情報収集・記録
外部相談窓口への連絡と記録の蓄積。「何が起きているか」を第三者に伝えられる状態にする。
第2段階:行政的解決の試み
労働局の「あっせん」申請、またはユニオン加入による団体交渉。費用をかけずに会社と話し合いの場を持つ。
第3段階:法的手段の検討
法テラスや弁護士への相談。労働審判・損害賠償請求・慰謝料請求の選択肢を確認する。
第4段階:心身の回復を優先する
精神的に追い詰められているなら、まず医療機関(心療内科・精神科)への受診を最優先にする。休職・退職・転職を並行して検討する段階でもある。

労働基準監督署に相談する方法と解決できる問題の整理もあわせて参考にすると、どの機関を選ぶべきかがより明確になります。

段階を飛ばす必要はありません。「第1段階だけやってみる」という姿勢でも、状況は動き始めます。

それでも職場環境が改善されないと判断したなら、環境を変えること自体が根本的な解決につながる場合があります。ブラック企業のあるある20選と診断も参考に、今の職場が改善できる環境かどうかを冷静に見極めてみてください。

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よくある質問

Q1. 匿名で相談できますか?+
都道府県労働局の総合労働相談コーナー、連合のなんでも労働相談ダイヤル、みんなの人権110番は、匿名での相談が可能です。ただし、「あっせん申請」や「人権侵犯事件の調査」を依頼する段階では、氏名の開示が必要になる場合があります。まずは情報収集のつもりで、匿名相談から始めることをおすすめします。
Q2. 相談したことが会社に知られますか?+
「話を聞いてもらうだけ」の段階では、基本的に会社への通知はありません。ただし「あっせん」や「調査」の申請に進むと、会社側に連絡が届きます。どの段階で何が起きるかは、相談の冒頭に担当者に確認するのが確実です。
Q3. 証拠がなくても相談できますか?+
証拠がなくても相談は受け付けてもらえます。窓口に連絡する際は、「いつ・どこで・何をされたか」を口頭で伝えるだけで構いません。ただし、損害賠償請求や行政指導を求める段階に進む場合は、記録や証拠があると選択肢が広がります。相談しながら証拠の集め方を教えてもらうことも可能です。
Q4. ハラスメントの損害賠償請求に時効はありますか?+
民法第724条の不法行為に基づく損害賠償請求は、「損害と加害者を知った時から3年」が原則的な時効です。継続的なハラスメントでは行為が終了した時点から時効が進行する場合があり、解釈によって起算点が変わることもあります。専門機関(法テラス・弁護士)に早めに相談し、時効を意識しながら記録を残しておくことをおすすめします。
Q5. パート・アルバイトでもハラスメントの相談はできますか?+
はい、できます。パワハラ防止法(労働施策総合推進法)はパート・アルバイト・派遣社員を含む「労働者」全般を対象としています。雇用形態にかかわらず、都道府県労働局や法テラスに相談する権利があります。
Q6. ハラスメントの相談窓口に連絡したら必ず解決できますか?+
必ずしも一度の相談で解決するとは限りません。相談窓口はあくまで「選択肢と情報を整理する場」です。行政のあっせんは会社が参加を拒否した場合に打ち切りとなり、法的手段は時間と労力を要します。一方で、相談したことで自分の状況が整理され、次に何をすべきかが見えてくることは多いです。一人で抱え込まず、まず話してみることが大切です。

次のステップとして、上司が怖くて萎縮してしまう方へ:心の声を整理する方法もあわせて読んでみてください。